週刊Coelacanth

小川作文講座 http://ogawasakubun.blog.jp/

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                        現在月一回の更新になっております。
                        毎月、中旬頃を予定しています。
                        過去の記事も見ていただければ幸いです。

NPOという役割とは

 企業や行政などが構築している社会の基盤に対して、アクセントを加えていく存在は多々あるが、それらの中にNPOという役割があるであろうか。
 一つのNPOとしての区切りは、その担っている側面が、基盤の領域に組み込まれ、ある種NPOとして関われなくなるということなのではなかろうか。また、その関わるべき側面が、全て無くなるということが、NPOという存在としての区切りでもあるが、現実的には、難しいのであろう。
 それは、常に必要性が生じ続けるということであり、その本質は、彼方を立てれば此方が立たずという性質なのであろう。善悪という概念に、絶対的な基準が存在しない様に、その状態における最善に過ぎないということである。
 枠は、そう簡単には広がらないものである。我々のスパンで枠の拡大と縮小を見ようとするのであれば、変容と捉えた方が、近いのかもしれない。ただ、その役割を全うし続けることが、その枠の拡大に繋がっていく可能性はあると言えるのであろう。ただ、枠の拡大がそのまま虐げられている人々の救済の拡大に、必ずしも繋がるとは限らないのではなかろうか。つまりは、個人であり、組織における本質的なNPO性というものは、取り組む側面ではなく、取り組む者達の意識の姿勢なのではなかろうか。
 また、その根本に携えている意義を固定化し続けることが、無思考化に繋がるのであれば、それは、悪性の宗教化になってしまう。常に、その根底の意義を精査し続けなければならないのではなかろうか。そして、その精査の継続によって、その根底の意義というものは、増強されていく。逆に、そうすることでしか、増強されていかないとも言える。
 しかし、時に組織内の役割によっては、その様な意識を必要以上に持たない方が良い場合もあるのかもしれない。

 

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