週刊Coelacanth

小川作文講座 http://ogawasakubun.blog.jp/

                        <お知らせ>
                        現在月一回の更新になっております。
                        毎月、中旬頃を予定しています。
                        過去の記事も見ていただければ幸いです。

両極

 ある歌手の話によると、より高い声を出せる様になる為には、同様により低い声も出せる様にならなければならないらしい。どちらか片方だけ伸ばすのではなく、両方を伸ばす必要があるということである。
 両方を広げなければ、どちらも広がっていかないということ。
 社会の表と裏。経済界と、マフィア。
 人の意識における否定と肯定。何かを肯定しているのであれば、同時に、それは、何かしらへの否定にもなる。その肯定が深ければ、深いだけ、否定も同様に深くなるのかもしれない。
 善と悪も、表裏一体。単なるベクトルの両極に過ぎないから。その両極も、単なる一つの観測点からの計測に過ぎない。正義は、一時的な前提によって、定められているに過ぎず、絶対的なものではないのである。
 金満球団があるから、育成型の球団も生まれる。
 一芸で、成功している者もいる。それが、片方だけの成長と見るならば、限らない話には、なってくるのであろうか。
 片方に見えても、両方なのかもしれない。始点をどこに規定するのかどうか。常に、数直線の様に、ゼロから、両極にベクトルが伸びていくとは限らない。
 または、その側面における両極端が、互いに伸びているのかもしれない。

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