週刊Coelacanth

小川作文講座 http://ogawasakubun.blog.jp/

                        <お知らせ>
                        現在月一回の更新になっております。
                        毎月、中旬頃を予定しています。
                        過去の記事も見ていただければ幸いです。

浸りたい時間

 納得できないから、商品を出さないというのも、一つのポスピタリティの極致だとは思うが、同時に、どんな状況であれども、商品を出し続けるというのも、一つのポスピタリティの極致なのであろう。
 それが可能な緊張感を保ち、高いレベルを積み重ねることで、高い安定性が作られていく。それは、結果的な安定性であり、過程の安定化には、必ずしも繋がらないのであろう。
 逃げ癖が付くことと多く逃げることは、紙一重であるが、全く違うのであろう。高く太い安定性だけでなく、高く細い安定性も、また一つの味わいである。
 とある著名な漫画家は、書き直しをしないらしい。退かない一線をどこに、そして、どの様に設定しているのかどうか。やり直しの前提化であり、結果的にやり直すことが、悪いというわけではない。
 偉人も人の子なのであろう。通常の行動を異常な量積み重ねているだけに過ぎないのではなかろうか。だからこそ、難しい。
 そして、ある一つの姿勢が前提化される中で、その納得できない時の商品にも、味わいが出てくるのではなかろうか。

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