週刊Coelacanth

小川作文講座 http://ogawasakubun.blog.jp/

                        <お知らせ>
                        現在月一回の更新になっております。
                        毎月、中旬頃を予定しています。
                        過去の記事も見ていただければ幸いです。

 春という季節は、好きな季節の一つであるが、あまり得意な季節ではない様に感じる時がある。切り替わりや始まりの多い時期であり、周囲が定まらず、ある種の不安定さがあるからであろうか。
 人々が活動的になるという見方は、間違いではないと思うが、同時に、活動という結果への焦りや義務感を持っている様に感じるところもある。それは、有意識の上で認識されるものではないのであろう。
 自身の有意識における能動性が偽りというわけではなく、それに加えて、自身の本能的な部分から内発するものであり、社会からのある種の強制的な影響を、無意識のレベルで受けているのであろう。それは、現代という社会状況からの影響でもあるのであろうが、同時に、どの時代にも共通して、発生している影響でもあるのではなかろうか。また、人という括りにおいて、ある程度の量と質の能動的な意識や実際の行動が必要であり、その欲求を消費させ、さらに担保させる為の影響でもあるのであろう。もちろん、単に、新しい環境への適応過程における表面的な現象でしかないのかもしれない。
 そして、春が我々に与えているものであり、我々が春に与えているものとは、何なのであろうか。

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