週刊Coelacanth

小川作文講座 http://ogawasakubun.blog.jp/

                        <お知らせ>
                        現在月一回の更新になっております。
                        毎月、中旬頃を予定しています。
                        過去の記事も見ていただければ幸いです。

狂ったリズム

 一度狂ったリズムというのは、中々元のリズムに戻ってはくれない。同時に、それを取り戻そうとすればするほど、どつぼに嵌っていく。それは、そもそも元に戻るということ自体が、不可能だからなのではなかろうか。例えそれが、ほぼ同一のものになろうとも、それは、新しく作らなければならないものなのかもしれない。もちろん、安定を手に入れ常態化していた者にとって、必要なことであれども、不安定という状態を簡単に受け入れられるものでもない。
 時に、一つの成功を経験した形態を、我々は無意識の内に踏襲していることがある。そして、その形態に新しく人であり、物事を当て嵌めていく。そもそも、枠による成功なのか、それを活用した人々による成功なのかという精査をせずに。ただ、枠という存在にも、ある種の意志であり、感情であり、思想というものは、あるのであろう。
 目に見える物事、さらに、知覚できる物事、そして、理解できる物事。それらの範囲を扱うだけでも、十分とも言えるであろうか。ただ、それらができない類の物事をどう掴み、読み取るか。その楽しみ、面白みは、いかがであろうか。ちなみに、理解の有無とは、側面であり、理解の大小とは、その深さなのではなかろうか。
 ただ、その領域を知る為には、今ある常識の何かを犠牲にしなければならないかもしれない。

ⓒ 2015 週刊Coelacanth