肩書きによる成長

　肩書きという枠や、不変も含めた広義な意味合いでの変化などによって、形作られる環境は、人を成長させるが、その環境を作りだすのも人である。
　自身でそれを作るのか、他者による作成を待つのか。他者からのそれには、影響の範囲であり、期間に限度があり、何よりも望む望まざるにかかわらず、必ず機会をくれるとは限らない。他者への代替化は、自身の行動に起因しているか。ただ、少なくとも、前人未踏の域に達するには、経過途中ならまだしも、最終的な部分では、自身による作用でしか到達させることはできないのであろう。
　そのレベルにある者の意識というものは、多くの他者にとっては理解できない類のものかもしれない。しかし、理解できないことを認識し、規定するということはできる筈である。その規定によって、その対象との正解に近い距離感を作ることができる。ただ、その対象を理解する可能性を絶やしてしまうかもしれない。
　そして、表面的に普遍性で覆われていたとしても、同時に、その本質的な部分に唯一の側面を携えていないとは、言い切れない。
　ちなみに、環境という存在も、人という参加者を欲しているのかもしれない。