関係性の一つとしての友人
友人という関係性に限らず、おそらくは全ての関係性において、少なからず利害関係は、存在しているのであろう。その利害関係が、直接的なのか、間接的なのか。大きいのか、小さいのか。また、それは同時に、人間同士の関係性にのみ限定されることではなく、全ての物事にも共通して言えることなのであろう。
他者との関係というのは、そもそも単一の関係性だけで括れるものではないのであろう。一人の他者に対して、友人であり、恋人であり、兄妹であり、仲間という複数の関係性を同時に持つことは、あり得るであろうし、厳密に言えば、それが本来の形とも言える。
友人は、多い方が良いのか、少ない方が良いのか。同時に、深い方が良いのか、浅い方が良いのか。それは、個人の状況によるのであろうし、そもそも必要であるとも限らない。ただ、社会にある無意識の前提による獲得の強要は、少なからず見られるのであろう。
一般的に、金銭の授受を基礎に築かれている友人関係に対して、世間では否定的な見方が多いのであろうか。ただ、全ての関係性において、少なからず利害関係があるのであれば、金銭の授受もその一種であり、おかしなことではないのではなかろうか。
ちなみに、友人という概念は、関係性という業界においては、決して高位な位置に居るわけではないのかもしれない。親友や恋人、家族という関係性に比べれば、一歩及ばないのであろう。ただ、それぞれに合った役割というものがある。