「少なからず」
「少なからず」「少なくとも」という言葉。
「その可能性・側面は、少なからず、ある・言える。」
「少なくとも、○○であるということは、言えるのであろう。」
「否定し切れない」も近いか。
「その可能性・側面があるということは、否定し切れない。」
「○○であるということは、否定し切れない。」
言い訳でもある。保険とも言えるか。相手が誤解した時のであろうか。
ある意味での相手への不信。それを付けなければ、相手が誤解するということへの。意図が理解できないのであろうということへの。
配慮の様に見えるのであろうか。そうとも言えるが、根本的には、配慮ではないのではなかろうか。
無難な言い様ではあるか。石橋を叩いて渡る様な感覚であろうか。言葉を選んでいる感じか。
それなりに、考える能力はあるのであろう。ただ、その意識を扱うには、当人のその側面が不足しているのであろう。扱う為に必要な能力が足りていないから、使わざるを得ないのかもしれない。
賢い様にも見えるのかもしれない。傾向としては、合っているが、その賢さの程度は、常識的な範囲での話なのであろう。
現代の世相を現す文言の一つの様にも思えるか。盛隆している言葉の一つなのかもしれない。失言をしてはいけないというか。下記の様に、そんなに大きな効果は無いので、特にマスコミ対応としては、あまり根本的な意味は無いか。包んでも、その真意であり、大小は関係なしに有無の方が、取沙汰されるのであろうから。
何かしらを補助する言葉ではあるか。主張を和らげるとか。
主張の有無や大小は、大小で言えば、小ではあるが、有無で言えば、有だということにはなるか。
だから、「おそらく」などを使った場合とは、違ってくるか。
線引き。一つの踏み込みか。
その上で、保険を掛ける必要のある発言をするということ。ただ、その場として、聞く相手、受け取る相手の力量から、誤解が生じる可能性であり、その誤解が当人の誤解の許容範囲から漏れる可能性が、高いということなのであろう。
一歩踏み込んだ瞬間であり、挑んだ瞬間であり、覚悟を決めた瞬間なのであろう。
ある種の交渉とも言えるのではなかろか。交渉という行為と重なる部分があるというか。交渉的な行為や言動とも言えるか。
交渉とは、相手の状況を察知しつつ、自分の要求を突き付けて、少しでも、それを獲得する作業でもある。自分の引けないライン、獲得したいラインを見定めて、設定していく。どこかで、リスクを負って、危険な領域に踏み込むことも必要になってくる。
そんな大した効力は、無いとも言えるか。そんなに大きなものは抱えられないのであろう。そもそもの主張の内容によっては、全く意味が発揮できないこともある。その微妙なラインでしか使う意味がないということ。そういう意味でも交渉的側面なのか。安全圏から、ほんの少しだけ、踏み込む際にしか使えない。
それは、途轍もなく、弱気ではあるが、一歩は踏み込んでいる。だから、小ではあるが、有でもある。
逆に、譲歩の際にも使うか。「少なからず、私にも責任がある。」とか。謝り難い時に、一歩を踏み出す際に。表面上にしろ、本心にしろ、大きくは認めたくない時に、最小限の承認で済ます為に。
漠然とでも、明確に存在していたラインの書換えへの挑戦。ただ、それは、元のラインから、非常に小さな変化でしかないとも言える。